盤の上の石

碁吉会・碁句道会に捧ぐ

チキリ筋ねじれねじれてボウクリ会   悦子

                                                   高野圭介



今、「坂の上の雲」(原作・司馬遼太郎)が面白い。

やんちゃボーズのノボさんこと正岡子規と、ジュンさんこと秋山真之
仲良し二人の底抜けの楽天家たちに自分が乗り移ってしまい、
拍手喝采しながら自分も劇中の人物になってしまう。

  秋山真之



 秋山真之
碁が大好きだった。

小村寿太郎は言っている。
真之と寿太郎の二人は
碁敵同志であった由。

「秋山と碁をうつと面白い。
いつでも百目も取るか
取られるかの勝負だから。
アハハハハ」

 正岡子規



正岡子規

碁が大好きで、
囲碁の殿堂入りの候補に
選ばれていたそうな。


碁が好きで、
碁の俳句も多く残されている。 

ユーモラスなノボさんは野球を
「のボール」と名付けた。





子規の 囲碁俳句


碁に負けて忍ぶ戀路や春の雨

下手の碁の四隅かためる日永かな
 
碁の音や芙蓉の花に灯のうつり


 昼人なし碁盤に桐の影動く

勝ちさふになりて栗むく暇かな 
 
淋しげに柿食ふは碁を知らざらん
 
碁に負けて厠に行けば月夜かな
 
月さすや碁を打つ人の後ろまで
 
碁の音の林にひゞく夜寒かな
 
真中に碁盤据へたる毛布かな
 
丁々と碁を打つ家の夜寒哉
 
碁の音の林に響く夜寒かな
 
いろいろの變化出て來る夜長哉
 
劫に負けてせめあひになる夜長かな
 
冷かや佛燈青く碁の響
 
月さすや碁を打つ人のうしろ迄
 
碁の音や芙蓉の花に灯のうつり
 
燒栗のはねかけて行く先手哉
 
碁盤あり琴あり窓の竹の春
 
蓮の實の飛ばずに死し石もあり
 
雲ぬれて春の山寺碁をかこむ

僧や俗や春の山寺碁を囲む
 
短夜は碁盤の足に白みけり
 
涼しさや雲に碁を打つ人二人
 
修竹千竿灯漏れて碁の音涼し
 
碁の音に壁の落ちけり五月雨
 
碁丁々荒壁落つる五月雨
 
蚊のむれて碁打二人を喰ひけり
 
日一日碁を打つ音や今年竹
 
眞中に碁盤すゑたる毛布哉